確信犯
この世界に、出掛けて後ろめたくない場所なんて、もうドコにもない。
子供に償うコトしか考えてなくて。
白澤有雅にまだ。
突き詰めたいコトだって、ある。
柔らかい匠の髪が落ちて。
彫像みたいな額を覆う。
現実味のない、美しさを見て。
このヒトは何を言ってるんだろうと、思った。
「そんな虫のイイ話、考えてない」
母が私達にできなかった分。
この子の傍にいる。
夢じゃない、現実にするんだ。
「公には載らなくても、俺は父親だろ?公とかどーでもよくなるくらい、私事で愛させろよ。夢も支える」
公の関係。私の関係。
夢。
整理が追い付かなかった。