確信犯



白澤有雅を追い詰めてから。


匠が、知ってしまってから。


数日が経っていた。






委託は産休を取る時点でクビ同然。


他のヒトと代わるのが当然の空気。






委託会社を辞めるなら、と。


委託先だった町の建築会社から、パートにならないかと誘って頂いて。


給与は減るけれど有り難く受けた。






産後に、子供同伴でも働かせてもらえる会社なんてなくて。


それはただただ、温情だった。






養父母も。


和菓子屋の定休日に協力してくれ、孫として子供を可愛がってくれる。


片親というコトを、何も聞かないでと頼んだ私の願いを受け容れて。






何も知らないからこその、幸せ。


そういうモノが、そこにあった。





< 198 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop