確信犯
白澤有雅を追い詰めてから。
匠が、知ってしまってから。
数日が経っていた。
委託は産休を取る時点でクビ同然。
他のヒトと代わるのが当然の空気。
委託会社を辞めるなら、と。
委託先だった町の建築会社から、パートにならないかと誘って頂いて。
給与は減るけれど有り難く受けた。
産後に、子供同伴でも働かせてもらえる会社なんてなくて。
それはただただ、温情だった。
養父母も。
和菓子屋の定休日に協力してくれ、孫として子供を可愛がってくれる。
片親というコトを、何も聞かないでと頼んだ私の願いを受け容れて。
何も知らないからこその、幸せ。
そういうモノが、そこにあった。