確信犯
なんども、なんども。
打ち消した。
勝手に思い込んでいるんだ、って。
同じ体験をした同士への親愛の情なんだよ、って。
でも。
キモチ悪い私の感情は。
同族意識では片がつかなくて。
たった一人の理解者を求めるみたいに、匠に傾いて。
――このヒトなら
このヒトだけは、分かってくれる
私を知らなくても、きっと
私は、匠に焦がれた。
そんな自分にも決着をつけたくて。
計画を実行した。
カタチが欲しい。
葬る運命なら、一つだけでも。
焦がれたヒトの子供を。
ただの女として産めば終われる。
それは私の。
白澤有雅以外への。
秘密の野心だった。