確信犯
城崎さんの説明では、匠が結婚していれば妻子を受取人に出来るけど。
匠は未婚なので、親か兄弟姉妹。
私という妹の存在を知らなかったから、面談をしたかったと言われた。
「妹さんにお子様がお生まれになって、何かの時の力になりたいと、匠が言ってました」
今度は匠の友人のカオで「出産おめでとう」と。
城崎さんは優しく微笑む。
それでもう一つの契約が、と。
続けざまに書類が並んで。
「こちらは、一ノ瀬美森様にご加入頂く保険になるのでご署名を」
先ほどの契約は、匠のモノで。
疾病、怪我、介護、死亡、貯蓄型。
もう一つの契約も匠の依頼で。
私が契約者、被保険者の貯蓄型。
全納、一括払い指定だと言う。