確信犯

「全納一括って…３千万円？！」



契約者になる私が。


加入の希望もしていないのに、そんな金額を一気に払えるワケがない。






「妹さんの給与口座に、その金額はあるって匠が言ってました」



城崎さんの言葉には。


知ってても知らないフリをしている、というニュアンスがある。






白澤印刷に勤務していた頃。


私の給与口座番号は、白澤印刷にも提出していた。


匠の補佐、出張費等の関係で。






…というコトは。


匠が私の口座に、この金額を振り込んだから一括で引き落とせ、と。


そういうコト？






私の疑問を解消するかのように、城崎さんは頷いた。



「匠の契約は死亡時７千万円、妹さんの契約は貯蓄型で３千万円。併せて１億円」