確信犯



その時。


テーブルに置かれていた、城崎さんの携帯が震え出した。






私が促すと、携帯を操作した城崎さんから画面を見せられる。


それは、匠からのメールで。






《美森へ。 ミツルの営業成績のタメにも加入して欲しい。》



メールには、そう書かれていた。






断るつもりでいたのに。


友人を通じて、裏事情に訴える辺りはさすが、としか言えなくて。






それに、ラストラブレター。


その言葉が胸に響いていた。






私が子供に、遺せるモノは何だろう






言葉を重ねるだけなら簡単。


匠も…見えるモノで遺せる何かを探したんだとしたら。






子供を無視した私のキモチだけで。


無碍にしちゃいけない気がした。





< 208 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop