確信犯
その時。
テーブルに置かれていた、城崎さんの携帯が震え出した。
私が促すと、携帯を操作した城崎さんから画面を見せられる。
それは、匠からのメールで。
《美森へ。 ミツルの営業成績のタメにも加入して欲しい。》
メールには、そう書かれていた。
断るつもりでいたのに。
友人を通じて、裏事情に訴える辺りはさすが、としか言えなくて。
それに、ラストラブレター。
その言葉が胸に響いていた。
私が子供に、遺せるモノは何だろう
言葉を重ねるだけなら簡単。
匠も…見えるモノで遺せる何かを探したんだとしたら。
子供を無視した私のキモチだけで。
無碍にしちゃいけない気がした。