確信犯
「そうだ!コレも頼まれてた!」
思い出したという感じで、城崎さんは何かを取り出した。
小型の頑丈なケース。
コレは?と目で問いかけると。
「お守りです」と言われる。
「僕の身内に研究者がいて…現時点での特効薬。コレはエイズ。コレは先天性心疾患。コレは自然奇形…」
兄と妹から生まれた子供に。
今のところ、障害は何もないのに。
匠は。
先に打てる手は打ちたい、お守り代わりに持たせたい、と。
現時点での特効薬を集めたらしい。
…バカだなぁ、って思うのに。
匠のキモチを感じて。
愛しさみたいなモノが込み上げた。
――やっぱり
このヒトは受け容れてくれる
どんな私達であったとしても