確信犯
興奮した子供が寝付く頃。
すっかり育児に付き合わせてしまった奥平チーフにコーヒーを淹れて。
「そうだよね…やっと、今から自分のコトができる時間なんだよね…」
ポツリ、呟く奥平チーフに。
『ごめんなさい』話を促した。
そういう事情を悟ってくれるから。
私は奥平チーフが好きだった。
変なマイペースさで振り回してくる、匠の行動よりも理解できた。
「私、ね」
寝静まった子供に遠慮するように。
「白澤有雅会長に頼まれて、白澤室長…匠さんを監視、報告してたの」
奥平チーフは。
カオを逸らさず、教えてくれた。