確信犯
「想定内です」
私は初めから。
白澤印刷の正社員じゃなくて、委託を選んだ。
近すぎず、遠すぎず。
いざとなれば離れやすいように。
「コレね…会長がリークするのを奪ってきたの」
奥平チーフが出した封筒の中身は。
匠の生活史。
というか、匠を尾行した報告書。
気味が悪いほど匠の日々の全てが、時系列で文書になっていた。
添付写真がある時は。
主に対人、女性関係で。
お相手の個人情報までもが、報告書で事細かに記されている。
――多分、匠は…監視を知ってて
別に困るコトでもない
とか、思ってたんだろうな
予想はつく。
けど。