確信犯



事情は分かったけど。


白澤印刷のお家騒動。


それをナゼ、監視相手だった私に言いに来たんだろう?






「私が謝りたかったのは…白澤会長の言いなりになって、私は――」



奥平チーフの、声が詰まった。






――犠牲者、だったんだ






奥平チーフは。


白澤有雅に抱かれていて。


きっと、私達の関係まで勘づいた。


私の子供の背景も。






「まさか、奥平チーフは――」


「そう、ね。執着したの」






――『白澤有雅に、執着したの』






奥平チーフの謝罪は。


私の母への謝罪も、含んでいて。


私を、匠の女性関係で傷付けようと画策した白澤有雅の魂胆をも。


詫びていた。





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