確信犯
扉に凭れて。
ズズっ、と座って。
二人の女性を。
頭の中に、思い描いた。
――大丈夫
私がやるから
私全部で
やり遂げるから
『悔しいねぇ…赦せないよ』
グシャグシャな顔。
ドロドロの感情。
私の手を握る、強い力。
私は。
忘れない。
『思い知らせなきゃ』
『いつか、いつか』
“いつか”を。
手に入れるんだ。
「美森ーご飯、食べる?」
朗らかな、母の声がして。
「はーい」
何もかもに、蓋をした。