確信犯
保険のコトとは知らず、匠から喫茶店に呼び出された時は。
フリーメールだけ教えてた。
いつでも変えられるし。
いつでも切れる程度の連絡手段。
なのに匠が。
私のアパートの前に立っていた時。
ヤられた――と思った。
さすがというか。
ハメられたというか。
一筋縄じゃいかないというか。
「ミツルは責めるなよ」
ニヤっと笑って、出迎えた匠に。
「――ミツル……ああ、城崎さん」
という、
マヌケな返答しかできないくらい。
動揺した。
目的のタメに仕掛けるのはいつも。
私だったハズだから。