確信犯
匠を家に上げても。
子供の生活リズムには関係ない。
いつも通りお風呂、食事。
片付け、お出かけセットの補充。
やるべきコトはある。
いちいち。
匠が後ろに付いてまわらなければ。
もっと手際よくやれるのに。
観察されて、手伝われると。
妙に動きが悪くなる私は。
こんなにヘタレだったのか――。
「ルールを変えられるような気分になると、自分も変わらなくちゃって強迫観念が湧くから嫌です」
匠を制するタメの自分の言葉が。
自分自身を追い込む感覚なんて。
おかしい。
「後学のタメ」
匠はそれだけ言って。
観察も手伝いも止めてくれない。