確信犯
ホドけない
❇~❇~❇
――――最初は。
生真面目でおとなしそうに見えて、
強気に放つ眼差しが印象に残って。
フワリ、と微かに残る、
男性用香水のラストノートが、誰かのモノを象徴していて。
束ねた髪が、ドコでホドけるのかと、気になり始めて。
時折見える、拒絶の信号が怖いくらいにミステリアスで。
抜き差しならないほど。
乱れる姿が見たくなって。
この手で、
ホドきたくなった――――
匠は。
私のカラダに指と唇を這わせて。
私の印象を、溢していく。
――ダメじゃない…
まんまと私の策略に嵌まっちゃって
よく今まで無事だったね
そう思うのに――動悸は速くなる。