確信犯
幾つになっても、可愛らしくて。
か細いかと思えば、強くて。
アンバランスさが魅力の、母。
匠は。
母を守る役目は自分にある、と。
母にかしずいた。
私も。
母を崇めて。
その美しさと優しさを享受した。
だから。
匠と2人で、長期間のサマーキャンプから帰ってきた時。
手折れるほど細い母の腕に。
弟を見つけて驚いた。
母のお腹が膨らんでいたことさえ。
私は気付けなかったから。
匠は。
騎士が増えた、と喜んで。
弟を可愛がった。
私は。
複雑だった。