確信犯
それから。
母は酷く、塞ぎこみ始めて。
夢うつつで、弟の世話をした。
母から。
笑顔を引き出したくて。
匠も私も、くだらないコトをした。
それでも母は。
頼りなさそうに微笑するだけで。
声を上げて笑うことはなかった。
どうしても。
晴れない顔をした母が。
心配だった。
白澤有雅の仕打ちを。
はっきりとは知らなかったけれど。
幼心に。
信用できないと、思っていた。
だって。
夢見るような母の笑い顔が。
消えた。
母の為なら。
私は、何でもするつもりだった。