確信犯
関わった調査員一人を電話で捕まえて、私はこちらの要望を話す。
調査データが流出したコト。
資料がこちらの手元にあるコト。
白澤有雅に流出をバラすコト。
信用を守りたいなら。
黙っておく代わりに、他の調べたコトを教えて欲しい、と伝えた。
正規の依頼料金を支払うと言って。
白澤有雅の権力は。
妙なところで役立つ。
調査員は、正規の依頼ならと。
私の申し出を受け入れた。
秘密厳守、が大前提で。
奥平チーフが持ってきた封筒の奥には、USBメモリが入っていて。
白澤有雅は、調査機関にさえも。
調査内容を手元に残さないように、と指示していたに違いない。