確信犯
ほどなくして。
私が借りた私書箱に届いたのは。
調査機関からのUSBメモリ。
奥平チーフが、調査機関に身分証明書を提示してくれたお陰で。
詮索もさほどなく。
費用も振り込むだけで済んだ。
家に帰って。
パソコンにUSBメモリを差す。
そこには。
匠の過去が、あった。
匠は。
白澤有雅と、本妻との間に引き取られたにも拘わらず。
海外の、良家の子息しか受け入れない寄宿学校で過ごしていた。
長期休暇の時も。
白澤有雅の傍に寄り付いていない。
寄宿学校の職員でも買収していたんだろう、と予想はしたけど。
匠の日々は厳格すぎるほどだった。