確信犯
そこから読み取れたモノは。
匠の、ストイックな努力と。
孤独。
白澤有雅はこれを見ても。
何も、思わなかったんだろうか。
寄宿学校独自の規則は、あまりにも旧体制だし。
下級生時代は特に自由なんてない。
精神を鍛えるタメの、過ぎる体罰。
知力も体力も優秀でなければ与えられない会話、食事、部屋。
面会も外出もできなければ、己の全てを鍛え上げる時間さえ不足気味。
匠に。
心休まる友人はいたのかな。
長期休暇に帰る場所もなく。
小学から大学までの時を、どんな想いで過ごしたんだろう。
私が手に入れたのは。
思いもよらない、
匠の孤高さだった。