確信犯
厳格な学生時代を経て。
匠の社交会デビュー以降は、とても
華やかだった。
今より物憂げな、美青年は。
ヒトとの関わり方が不慣れで。
それでも寄せられる好意や、温かい女性たちの肌は尽きなくて。
だからきっと。
女慣れしてるのに、言葉が圧倒的に足りない匠の性格が増長された。
そんな匠が、白澤有雅に対して。
『ちょっと考えがある』…
私はそれが。
匠自身の積年の想いだったらイイ、と願った。
匠も、私も。
白澤有雅から疎まれようとして、生まれてきたワケじゃない。
白澤有雅を。
警戒していた私は構わないけど。
匠は――愛されたかったと思うから