確信犯
もう、21年前だ。
担当カウンセラーがいるとは限らないし、望みは薄くて。
でも、私は電話をかけた。
当時。
“無責任な日本人”の代名詞となった、私達だからか。
覚えているヒトは見つかった。
施設のシスターで、熟練者だというヒトを電話口に呼んでもらうと。
相手で私も、記憶が甦った。
ナタリア、と名乗るシスターは。
私に、礼拝の所作を教えたヒト。
讃美歌に、癒され始めた私を。
そっと導いてくれた手の持ち主。
私のその後を神に祈り、私が元気だと知ると喜ぶシスター・ナタリア。
それからシスター・ナタリアは。
私の質問に、答えをくれた。