確信犯
タクシーで着いたのは。
祭壇の、オブジェがある店。
邪魔しない程度の音楽が流れる中、隣の会話が少し邪魔で。
「なんか、言えよ」
黙々と食事を片付けていると。
無愛想な、匠の声がした。
「――なにを?」
質問には、質問で。
特に、語りたいことは、ない。
ウェイターがきて、何かを置く。
「これ、奥平チーフに土産」
置かれた紙袋を、私に寄越す。
「ご自分で、渡してあげて下さい」
無駄に、気が回る癖に。
不器用ぶる今さらな感じが。
可笑しくなった。