確信犯
そうじゃない。
決して、そうじゃないんだ。
ああ、もう
無駄に翻弄されてる…
だってホントは。
こんな、家族ごっこで和んでる場合じゃない。
匠はどんどん、疲れてる。
自分のペースでは動けない子供の相手をするくらいなら。
白澤印刷のコトをやればイイ。
『オヤジのコト、俺に預けてくれ』
匠がそう言ってから。
状況は、変わってる。
普段の仕事に加えて、白澤有雅のコトを裏で対処するのは。
きっと骨が折れる。
匠は、監視されてるから。
だけど、休ませようとすれば。
『俺のコトがそんなに心配なんだ』と誤魔化されてしまう。
なんて…面倒くさい男なんだ。