確信犯
匠に言われた“小さな未来”に。
だんだん侵食されている気分。
片付けを終えてからつい、溜め息が出てしまう。
今日も匠はやってきて、洋室で子供を寝かしつけていた。
「どうした?」
優しい声と優しい腕にくるまれる。
いつの間にか、背後にいた匠。
その温もりを感じた時。
自分がやろうとしているコトを突然、躊躇した。
匠が、傷付くんじゃないか
匠の考えているコトと…
…私のやろうとしているコトは、正反対なんじゃないか
『どうした?』 なんて。
そんな言葉が聴きたいんじゃない。
同じターゲットを見据えながら。
私達は、探り合ってる。