確信犯



必死に突っぱねる時ほど。


――ギリギリ、


なんだと思い出す。





私は。


空間を抱え込んで、呼吸した。






「忘れる能力は、必要です」



そう、告げた私に。






「オマエさ、」



酔いの、滲んだ声。


真剣味を帯びていて。


空気が、変わる。






「もう――誰かの、モン?」






え…。


――今の、ナニ?






あまりの不意打ちに。


思わず、素で。


首を横に振る。





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