確信犯

❇~❇~❇



しばらく、匠は現れなかった。






奥平チーフは、委託社員はあくまでも委託だから、と言う。


白澤印刷の業績次第で、委託契約の打ち切りだってある。






役員会が開かれても。


総務課が直接、関わるコトはない。


会議室の使用状況を調整するだけ。






私は。


匠のカラダもだけど。


心こそ、心配だった。






先に、私が白澤有雅を追い込んでしまったせいで。


陰謀に火を点けたのかも知れない。






また、母との全てを消すの?


決して忘れないように、と


私が刻みつけているのに






分かってる。


子供も親も、


お互いに所有物じゃない。





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