確信犯
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しばらく、匠は現れなかった。
奥平チーフは、委託社員はあくまでも委託だから、と言う。
白澤印刷の業績次第で、委託契約の打ち切りだってある。
役員会が開かれても。
総務課が直接、関わるコトはない。
会議室の使用状況を調整するだけ。
私は。
匠のカラダもだけど。
心こそ、心配だった。
先に、私が白澤有雅を追い込んでしまったせいで。
陰謀に火を点けたのかも知れない。
また、母との全てを消すの?
決して忘れないように、と
私が刻みつけているのに
分かってる。
子供も親も、
お互いに所有物じゃない。