確信犯
だけど、白澤有雅は。
母を未婚のままで所有だけして。
子供を生ませて、取り上げて。
なんの未来も誓わなかった。
匠の人生だって、所有してきてる。
匠の未来を、閉ざすタメみたいに。
奥平チーフのコトだって。
白澤有雅が、巻き込んだ。
一族でもなんでもないのに。
私のコトなんて。
生きてるかどうかも知らなかった。
ジクジク、思考が廻る。
匠に帰巣本能があって。
ココに現れて欲しいと願った。
そうしたら。
見えなくて、感じられないコトからくる怯えのようなモノが。
匠の、今のキモチが。
少しは、伝わらないかと思って。