確信犯
❇~❇~❇
やっと、美濃部さんのバックグラウンドが見えた時。
電話で話した、シスター・ナタリアの答えを思い出した。
「美濃部さん。あのヒトには、まだ他にも隠し子いますよね?」
「あ、知ってた?僕、まだ匠に会ったコトないんだけどねー」
盛大な溜め息が漏れる。
美濃部さんと、匠と私、が兄妹だと分かった上に。
まだ、確実に1人いる。
「政宗、でしょ?」
私の弟の名前をアッサリ言って。
美濃部さんは、トレードマークのようなサスペンダーを引っ張った。
「な、んで美濃部さんが…」
「もう1人の弟だからね?」
それは、間違いない。
だけど…。