確信犯
政宗は、生きていてくれて。
白澤有雅の、社会的な罪は消えた。
白澤有雅は。
血縁関係が近すぎると怯えて、母を棄てたクセに。
白澤の血が濃厚な男子は、手元に置いて監視する。
たとえ、女性たちを苦しめても。
…ケダモノだ。
「一ノ瀬さん、大丈夫?」
ドス黒い感情が渦巻くせいか、頭がグラグラする。
「美濃部さん…どうか、力を貸してください」
「あ、やっぱりそーなる?いーよ」
気楽な調子で。
美濃部さんが楽しそうに笑った。
「でも、今夜は飲まない?僕は出来立てホヤホヤの妹と飲みたいなー」
やっぱり、脱力させる新・兄。
飲みながら、相談しようと思った。