確信犯
闇夜に紛れて、ツバの広い帽子で。
ベビーカーを押す私の姿。
カオこそ見えないけど。
週刊誌や、スポーツ新聞にその写真が載っていて。
噂の信憑性を高めている。
世の中は。
まるで、熱に浮かされたみたいだ。
白澤有雅が情報を流しているのは、分かりきったコトだけど。
面白可笑しく、または公序良俗という面から真面目に。
討論や意見が飛び交う。
見えない敵も含めて。
見えてくる敵の数の多さに、圧倒されてしまう。
パートに行けないのは。
取材陣が、やたらと建築会社へ押し寄せるからで。
私の存在は既に、迷惑。
そのものでしかなかった。