確信犯
匠から。
連絡は入らなかった。
美濃部さんが、元々持っている包容力が発動されて。
私と子供は、美濃部さんのマンションにお世話になったままだ。
『かえって、僕たちが兄妹で良かったよ』と言って。
私と子供を表に出さず。
美濃部さんが守ってくれる。
何に対しても、固執感が少なくて。
あるモノをそのまま、受け容れる。
流れに流されているようで。
そうじゃない不思議なヒト。
匠がどうしているか。
私達が安全だからこそ心配できる。
美濃部さんは語る。
『男が必死なトコロなんて、好きな女性には見せたくないよ。男はね、格好つけたいイキモノなんだ』
こそばゆい反面。
癒された。