確信犯
匠には。
知られたくない。
ジワジワ、広がるのはそんな意識。
白澤有雅が、美濃部さんには簡単に株を譲渡したコトも。
政宗に対しては…優しいのも。
近親相姦情報を流しているコトも。
匠が、知るくらいなら。
隠してしまいたかった。
どうすれば、イイんだろう
どうすれば、匠を守れる?
「…私を庇うか? 八重」
その、声に目を上げれば。
鋭い眼光で私を見る、白澤有雅。
――計算のうち、ってコトか
結局。
白澤有雅の掌の上で。
踊らされている。
言いようのない、腹立たしさが。
震えるくらい込み上げた。