確信犯



倒れ込んだ隣の部屋の床で。


頭を打つと。


キーン、という耳鳴りがする。






目を彷徨わせると。


部屋の様子が目に入った。






恐らく、ここは仮眠室。


ベッドの脚らしいものがある。






更に目を上げると。


ベッドに腰かけたまま、


項垂れている女性が見えた。






「…お、くだいら、チーフ?」



息のような、私の声音が浮かんで。


頼りないまま、空中分解していく。






目の前の。


ベッドに腰かけた奥平チーフは。


まるで人形のように覇気がない。






床に転がっていた私を起こして。


座らせるのは、政宗で。






政宗はそのまま私を。


後ろから羽交い締めにした。





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