確信犯



上体が起き上がると。


視界に増えるモノ。






ベッドの上には。


奥平チーフだけじゃなく。


男性がいた。






ドクン――






勝手に。


胸が鳴る。


とても、イヤな音で。






「…な、にを、したの?」






低い音は。


普段より下がった、私の声で。






ベッドの上で横たわっていたのは。


意識を持っていなさそうな、


匠のカラダだった。






私のカラダが、サッと冷える。


低く低く、冷たく凍える。






「…何を、したんですか」






凍えた頭は。


冴えざえとするかのように。


目の前の状況を捉え直していた。





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