確信犯
ヤメテ
サワラナイデ
意識を持たない、匠の横顔は。
整いすぎていて。
それこそ、彫像のよう。
「安心しなさい。女性から仕掛けても、強姦罪は成立しない。女性は良い思いをするだけだ」
白澤有雅の声は。
私の耳に粘りついて。
不快でしかない。
「よく――見ているがいい。これこそが正常で真っ当な、男女関係だ」
白澤有雅の言葉は。
今から何が行われるかを、
ハッキリと示していた。
「…っ…奥平チーフ!止めてっ!」
「彼女は、私の言うことなら何でもきく。残念だな」
白澤有雅の嗤う声が。
耳のすぐ傍でするから。
全身が総毛立った。