確信犯
目の前の光景は。
心臓が冷たい手で掴まれるような。
そんな感覚。
後ろで纏められた、私の両手首。
私を羽交い締めにしている、政宗の力強さが。
匠のカタチをしていないせいで。
憤りさえ覚える。
そんな私に拘わりなく。
奥平チーフは、匠をはだけさせ。
逞しい胸をあらわにした。
私以外のモノが。
そこに埋もれる姿は。
悶えても、悶えても。
歯がゆくて仕方ない。
こんなモノ
見るくらいなら
目なんて要らない
喉の奥でヒリついた声が。
上手く出てこない。
ケダモノのような、咆哮が漏れる。