確信犯
政宗の両腕の力はキツイ。
あれほど愛おしかった存在が。
私の見つめたモノとは、違うモノに変わってしまっているようで。
喪失感に襲われた。
匠に跨がる、奥平チーフが。
自分の肌もあらわにしていく。
匠の、生気のない横顔を見て。
祈るように思った。
アナタがいなかったら
私は今の私になれなかった
それだけ、ヒト一人の全部に
深く関わってるんだよ
匠の、肌は。
奥平チーフからの愛撫を受けても、変わらなくて。
表情に乏しい瞳も開かなくて。
「そんなに噛んではいけません」
政宗が。
私の唇を心配するかのように。
繊細な指で、そこに触れた。