確信犯
「もっと、扇情的にしろ」
冷たい声で。
白澤有雅が奥平チーフに命じる。
機械仕掛けのような動きで。
奥平チーフのカラダが反応した。
ベッドの上で。
上向きの匠に跨がる奥平チーフを。
白澤有雅が横から撫で始める。
途端に、奥平チーフは。
しなやかに喘いで。
息を吹き返したように見えた。
「…私の名前を…呼ばないのは…一ノ瀬さんのお母様の所為ですか…?」
吐息の合間。
奥平チーフの声が溢れて。
白澤有雅が動きを止める。
そう、か
私の母は雅(ミヤビ)で
奥平チーフは美也子(ミヤコ)
…白澤有雅は…呼べないんだ