確信犯



白澤有雅からかけられた言葉で。


白澤有雅がなぞる指の動きで。


奥平チーフはますます、覇気を失っていく気がする。






もう少しで。


涙さえ、零れそうな。


儚げで弱々しい横顔。






こうして


言うことを聞かされてきたんだ


洗脳、みたいに






それでも。


奥平チーフは。


白澤有雅を求めている。






匠に快楽の種を植え付けて、育てようとする姿は。


悲鳴を上げているようで。


やっぱり、美しいとも真っ当だとも思えなかった。






ただ。


横から扇情的に、奥平チーフに触れる白澤有雅に対して。


昂っているだけで。






彼女は反応を示す矛先として。


匠のカラダを、啜っていた。


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