確信犯
❇~❇~❇
突然。
フハッ、と嗤いだすような音が。
仮眠室に静かに響く。
「ヤメてくんない?奥平サン」
いつの間にか。
目を覚ました匠が。
自分に跨がる奥平チーフの頭を。
左手で掴んで止めている。
「オヤジと3人で? よけームリ」
まだ、可笑しいのか。
しどけない姿を片肘で起こして。
匠は嗤っている。
「それに、もうわかってんだろ?」
突然のコトに。
目を瞠る奥平チーフを。
匠は、皮肉げな眼差しで睨んだ。
「他の女じゃ反応なんかしねーよ」
最後は。
私に視線を流して。
呆れるほど、したたかな匠が。
微かに笑んだ。