確信犯
匠は、立ち上がると。
白澤有雅を振り返った。
「というワケで――“コレ”はもう、俺のなんで」
今度は私に流し目をくれて。
ナチュラルに。
匠は断言した。
「コイツは、自ら険しい道にいくんだ。母親が大好きで、祖母への思いやりに満ち溢れてて…身内への情が深い、温かくてイイ女だ」
ナゼか嬉しそうに。
匠が微笑して。
「危うくて奔放で、次に何やるかわかんなくて、目が離せない。突拍子のない無茶をやらないように、ずっと傍にいてやりたい」
目を細めて重ねられた匠の言葉は。
どうしようもない私を。
赦してくれていた。