確信犯
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白澤印刷の会長室の隣。
仮眠室に集うのは。
私を解放したばかりの、政宗。
衣服を整え始めた、奥平チーフ。
眉間に皺を寄せた、白澤有雅。
両手首の拘束を解かれた私を。
甘やかすように見下ろす、匠。
何だか、ちぐはぐ
そうは思っても。
白澤の血筋は、4人もいる。
「…何をふざけた事を――」
苦々しさをあらわに。
最初に言葉を発したのは、
白澤有雅で。
「――和三盆のチーズケーキ。美森の実家が作ったんだ。重箱に見立てた包装のヤツ。白澤印刷のパーティーで土産にしたけど覚えてる?」
アンタの好物だったろ?
遮るように匠が。
白澤有雅に向かってそう言った。