確信犯



母の話から。


インセスト・タブー(近親相姦)の話。






少しだけ、気圧されたように。


白澤有雅は、


黙っていた。






「全然、構わない」






突然。


詰めよっていたハズの匠が。


驚くようなコトを言う。






目を瞠る、白澤有雅に。


匠は不可思議なほど、


堂々としていて。






「俺はコイツが本気で欲しい。欲しいモノのタメなら今、持ってるモノ全部、失ってもイイと判断した」






だから。


好きに広めろと。


匠が続ける。






「一ノ瀬美森が欲しいなら、それくらいして当然だ。その価値はある」






やっぱり。


不遜なカオで。


匠は嗤っていた。





< 394 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop