確信犯
私は。
匠の未来に影を差す存在なのに。
躊躇いなく。
キモチを表現する匠の姿勢に。
安堵なんてしちゃいけないのに。
「ただし。コイツ周辺の情報漏洩に関しては、全力で阻止する」
まさか。
会社じゃなくて。
私と子供のコトを守るタメに。
『――っ、させるか!』
って、言ったの?
それに気付いたら。
自分のカオが、歪むのがわかった。
「自分の事はどうでも良いと?」
眉間の皺を深くして。
白澤有雅がバカにしたように問う。
「ああ。こんな俺になれたコトを、気に入ってる始末なんだ」
天井に向けて。
目を閉じた匠は。
いつも以上に、キレイすぎる。