確信犯



少し離れた場所の。


白澤有雅に向かって。


匠の想いが流れていく。






「アンタが俺の大切な女を苦しめるなら、俺はアンタを潰す。アンタより大切なモノを守る。それだけだ」






積年の。


想いにしては、優しい声で。






「これからは、兄妹で助け合っていく。コイツは俺が支える」






匠が、“コイツ”と言う時は。


親愛さえ感じる音がして。






「ああ、一つだけ。俺に“妹”を与えてくれたコトだけは感謝する。ありがとう」






清々しいほどキレイな匠を見て。


痛みにしがみつくのはもうやめよう


そう、思った。






そんなコトしなくたって、


私の想いは変わらない。






――自分次第、なんだ





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