確信犯



――保護責任者遺棄罪…


それは、無理だ。






だけど。


美濃部さんのそのキモチは。


私に温かく、染みた。






「…直接向かってこないで、周りから固めて貶めるってやり方は…負けんのが怖いヤツがやるんだ」






匠が横から。


たたみかけるように言う。






「美濃部兄弟は俺と組んでたんだよ。アニキの渉も、弟の政宗もな」






白澤有雅に。


表情がなくなった。






「――…政宗もかっ?!」






叫んだ白澤有雅に。






「…はい、お父さん。恋は秘めても良いけど、愛なら秘密にしちゃいけないと思うから」






政宗が。


いつか、聞いた言葉を告げて。


微笑んだ。





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