確信犯
政宗までもが。
匠と繋がってた、なんて。
確かに、政宗は。
私を抑えるだけで。
手荒なコトはしなかった。
「警察、もう来るからねー」
美濃部さんの言葉に。
白澤有雅の表情が歪んだ。
「…くだらない兄弟愛か」
一言。
白澤有雅が呟いて。
いきなり。
私に向き直った。
「――っ!」
立ち上がりかけていた私は。
また、床に倒れていて。
白澤有雅が。
私を突き飛ばしたコトに。
遅れて気付く。
「――美森っ!」
白澤有雅の手には。
近くの机にあったのか、
ペーパーナイフが握られていた。