確信犯



「…そっか…お別れだと思った…」


「んなワケねーだろ」






私の顎を匠の指が持ち上げるから。


仰ぎ見てしまう。






私を見下ろす匠のキレイな瞳は。


怒りと心配と、不安を湛えていて。






その奥に。


愛おしいんだ、と告げるキモチが。


見え隠れする。






繰り返し、繰り返し。


怒りと心配が行き交って。






それでもやっぱり。


瞳の奥から現れて、


愛おしさを伝える一筋の光に。


目眩がするほど、揺さぶられた。






「物理的に独占しないとオマエは、なつかねーから。時間もカラダも独占して、それができたら心を捕らえにいくつもりだった」






――そう、だね


いつもそうしてくれてた




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