確信犯
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美濃部さんの迅速な対応のお陰で。
病院へ担ぎ込まれた奥平チーフ。
と、私。
奥平チーフは。
臓器損傷の一歩手前で。
細身のペーパーナイフを、
下手に抜いたり、動かさなかった美濃部さんの判断が。
褒められていた。
私は。
やっぱり右耳の中へ。
一瞬でも。
ペーパーナイフを、力任せに押し込まれていて。
カタカナの『コ』の字の形をしているらしい“耳骨”の一角が。
折れていた。
つまり。
鼓膜を突き破られた上、その奥にあった耳骨を骨折。
右耳の聴覚機能が損傷していた。