確信犯
どんなに。
醜悪な傷痕になっても。
抱えていこうと思った。
私は、忘れない
憎んだコトも
愛したコトも
全部忘れない
忘れてしまえばイイんだ
なんて思えない
どんな自分だとしても
私を形成した一部だから
否定しないで抱えていくんだ
匠と出逢い直したあの時――
密かに抱え込んだ夢や願いは。
忘れなきゃイケなくて。
覚えてちゃイケなくて。
それでも湧く願望を。
ねじ伏せるコトができなくて。
途方に暮れていた。
事実を知ってしまったら、きっと。
耐えられなくなる匠が。
私は、耐えられないと思ってた。